がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

感想

No10 とある日のドライブ
【7】
読者受けを狙った作品だなあ、というのが初読の印象。
雰囲気作りのためだけと思える表現の多用も個人的にはあまり好きでなかったりしますが、ストーリーらしいストーリーがあるのは接ぎ木とこの作品くらいなので、完成度は認めざるを得ない。



No11 あなたを繋ぐ
【7】
「とある日のドライブ」とは対照的に、文章技術としては拙いけれど表現しようとする世界には興味を抱けた作品。
主人公の女性がかなり頭いかれてるようにも読めるので、ちょっと怖い気もしましたが、それも味でしょうね。



No12 怒って投げて指つきだしてスッキリ
【自作】
ちょっとだけ自分語りすると、なるべく表現は簡潔に意味内容を伝えられた方が良いと思っています。今回も、それを意識して書きました。



No13 タブレット
【5】
んー、イマイチ。



No14 吸血妹
【6】
情報が整理されてないなあ、という印象を抱きました。妹萌えについては、今回私もやったんで突っ込まない方向で(笑)。



No15 左利きの魔女
【7(個人的には10)】
この物語大好きです ヽ(>ヮ<)ノ
完成度としては、まあかなり問題があるとは思うんですけれど。



No16 指線
【6】
んー、1時間という制限時間の短さが、作者さんの持ち味を殺してしまったように思います。
多分、普段は考えて文章を書かれる方だと思うんですが、1時間にまとめようとするあまり、かなり焦点の甘い作品になってしまっています。
例を挙げると、
>指自体の不思議さについても思考は及んだ。例えば拳を握ると言うが、あれは指が丸められた結果、拳が作られていることになる。慣用を無視すれば、指を握る、が正しいわけだ。その方が力も入る。


これは、指自体の不思議さについて思考してるとはいえないかと。


ストーリーらしいストーリーがないのは、作者さんも承知の上でやっているんでしょうが、勝負すべき描写についても、良い点がつけられないのは残念。



No17 アイ
【6】
これもありがちな展開。3パラ目でオチが読めました。
1時間という制限時間でこれだけ描き込めるのは凄い、とは思えるんですが、「……」や空行に頼っている傾向が強いのは拙いと思います。
それの何が悪いかといいますと、読者さんは、作者さんの思うようには読んでくれないと思った方がまず間違いないんですよね。だから、作者は表現することで(あるいは表現しないことを選択することで)読者の心を追い込んで行かねばならない。そういうときに「……」や空行での間の表現は独り善がりに過ぎて、不要ということです。



No18 無題(いとことラブラブの作品)
【5】
今回ラブラブ物では「左利きの魔女」があるので、蹴散らされてしまった印象です。



No19 二進法
【5】
もったいないな、と思った作品。というのは、おやゆびさんが可哀相、のところをもっとふくらませれば面白くなり得たかもしれないので。



No20 或る個室にて
【5】
題名から読んでいくと、「或る個室」のオチが見えたりするんですが、結構読み飛ばしてしまいそうだなあ。文章内でも部屋の特異性を強調するなりすれば良かったかも。
それから、この作品の最大の問題点は、「言葉の問題」をテーマにしてしまったが故に、作者さんの言葉に対する意識の低さが浮き彫りになってしまったことですね。
被告人が「字義通り行動」した結果「注文したシラウオの握りを食べ」る状況というのはなかなかあり得ないと思います。なにせ、この被告人がどんな風に「注文」したかは知りませんが、その「注文」を受けて、相手が握った指を差し出さなければならないのですから。
取調室ならともかく、法廷(口頭弁論なので)を個室と表現するのもどうかと思います。「知らない人達をして笑うためのツール」なんて誤表現も、素で使っているように見えます。



No21 未来のすうぱぁボーカロイド
【5】
んー、物書きの経験が浅いんだろうなあ。今後に期待。
「思いどうり」なんてけっこう恥ずかしい誤字もあります。



No22 接ぎ木
【8】
ストーリーもしっかりしているし、表現も描き込まれているし、どうやったらこんな作品を1時間で書けるんだ!?
身内贔屓を差し引いても、今回の祭りで文句なしに最高のデキだったと言わざるを得ない。


くそう……。