がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サンダーボルト(復)

短歌ひとつ。〈平原にサンダーボルトがそびえ立つその瞬間を見逃した馬〉 (季語はなし。原っぱに雷が落ちた瞬間に動物が怯えたという説があり、また雷などはありふれすぎているので、わざわざ首を向ける価値もないという説明もできそうです。)

電話番号(復)

短歌ひとつ。〈ポスターの電話番号書き写す高校生の生徒手帳や〉 (季語なし。なんとなく子どもだと道端でボーッとしてて許容される感じがしますが、しかしどこの番号をメモしてるのか。)

栗もなか(復)

短歌ひとつ。〈おにぎりを包むしゃけ梅栗もなかチョコも押し込む十二歳〉 (季語なし。子どもならではというか、どんどん悪乗りが過ぎていくことがありますよね。闇鍋とか。ただその場合良い方向に着地する可能性はあまりないです。)

万引き(復)

短歌ひとつ。〈万引きをひっ捕らえた店長は巌のような背中になりぬ〉 (季語なし。普段おとなしい人がいきなり活火山みたいになることがありますが、そんな感じ。店員の目なのかあるいは監視カメラの目なのか。)

おにいちゃん(復)

短歌ひとつ。〈いつまでもぼくのまえいくおにいちゃん今日はインドに明日コスタリカ〉 (季語なし。最初は子どもっぽい感じだったのが後半いきなり変な所に行ってしまう感じ。しかしすばやく移動しきるのは距離的に難しい気がします。)

ピストル(復)

短歌ひとつ。〈ピストルを構える男赤スーツ夢か現か銃口覗く〉 (季語はなし。ちょっと映画チックな感じになりました。モデルガンでも先端を見るのって少し怖くないですか?)

らあめん(復)

短歌ひとつ。〈らあめんを手にし伍長の肩付け根おばちゃんの目はじっと見る〉 (季語なし。民間からすれば、兵隊の体つきとか気になりません? という。しかし暖簾つきの屋台だとおじちゃんの方があっている。)

雨(復)

短歌ひとつ。〈酔漢が雨にまかせて声を上げ虫らがはたと黙るものなり〉 (季語なし。いきなりわけわからんこと言い出すと周りは黙りますがその典型というか。いずこの世界にもトンチキはいるような。)

告知(復)

短歌ひとつ。〈告知後にすれ違う人その目つき交番にあるそれと似し〉 (季語なし。なにか重大な事が起こったか冷や汗を掻いた後、自分が目にする人々がそれに感染したようなものに思える時がある気がします。)

炙りサーモン(復)

短歌ひとつ。〈妖精に炙りサーモン食わせれば落雷のごとくショック受け〉 (季語なし。ファンタジーの世界で東京ドームを目にしたような感じだと思うんですが、実際食べた本人はどう感じるんでしょうかね。珍味?)

丁半(復)

短歌ひとつ。〈丁半に身ぐるみ掛ける女ありその白髪はましらの如く〉 (季語はなし。博打狂いって恐ろしいですよね、という感じ。しかし猿の毛って短い印象なので最早この人間は坊主といった方が正しそう。)

平和(復)

短歌〈平和とは斬り合う前に礼をして事後の処理をば行う事と〉 (季語なし。争いの終了後に片付けをきちんとできるとグッと良いほうに行けると思うんですが、しかしそれが完璧に行われる例は滅多にない、という感じ。そもそも争う時点でどうなの? という気…

竜巻(復)

短歌ひとつ。〈竜巻をハシゴするべくアメリカを横断していく自転車の群れ〉 (季語なし。前に見たハリウッド映画を思い出す書割り。しかし自転車だと巻き込まれたらヤバイ。そもそも追いつけるのだろうか。)

害虫(復)

短歌ひとつ。 植物を愛し続ける人々は火を害虫のごと忌み嫌うもの (季語なし。火と植物は相容れないものとして書いたものだが、しかし火と暮らす植物や大樹もあるのでは? という考えもある。)

御来光(復)

短歌ひとつ。〈御来光ともに目にせり登山服頷きもせず元日の朝〉 (季語なし。富士山山頂にて。案外偶然巡りあった人でも、結末が一緒でも特に親近感がわかない時とかありますよね? 第一印象良くないとか。おそらく別々の道に別れる。)

沈黙(復)

短歌ひとつ。〈百キロを河が一夜で越えて行くそれはいつでも沈黙である〉 (季語はなし。雄大さを出した感じと敢えて沈黙という語を混ぜてみたが、むしろ自然は雄弁では? という気もする。)

引っ掻き音(復)

短歌ひとつ。〈両手剣抜く瞬間に宇宙すら揺るがす程の引っ掻き音が〉 (季語なし。両手剣でも良いが斧でも良い気がする文面。黒板を爪でひっかく音ってすごいですよね? あれと似てません?)

角(復)

短歌ひとつ。〈角がある彼女のそれに耳つけて無機質な音耳底に来る〉 (ファンタジアな一景。角自体が音を発するとすればそれはどのようなものか。あるいは男と女によって音にも違いがある可能性も。女性だと柔らかかったり男性だと管弦楽みたいな音だとか。…

修羅的速度(復)

短歌ひとつ。〈得物持つ娘の背丈小さきし振るう逸物修羅的速度〉 (季語なし。漫画的な速さで刀とか振るわれるとか完全に見えないので困ります。いつのまにか両断されている。しかし最近は大人が得物持っても際立った扱いはされてない気がします。そこのグラ…

十八度(復)

短歌ひとつ。〈ハチミツをふりかけたパン折りたたみ快晴を待つ十八度の夜〉 (季語なし。どちらかというと春の夜を思わせる感じ。ピクニックを楽しみに待つような様子? 別に曇りでも遠足は楽しめますよ!)

踊り場(復)

短歌ひとつ。〈思考とは独楽に踊り場感嘆符螺旋であると説く者もあり〉 (季語なし。なんか小難しい感じにまとまってますが、案外ランドリーみたいなものかもしれません。どちらにせよ円か……)

カニエビチャーハン(復)

短歌ひとつ。〈翼姫飛んで来たりて幾星霜好物はカニエビチャーハン〉 (季語なし。何でも書けるのがいいところですが、姫にしては好物が庶民的すぎないですか? 飛んできて食べてスルっと帰っていくような気軽さ。実は語五七六とちょっと字余りです。)