がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

2011-01-01から1年間の記事一覧

舞城王太郎『NECK』講談社文庫、2010

続きです。今回は『the original』を。 【the original】:山中、首まで埋められた三人を飲み込む、焼け付くような夏の一日。 ねじり込まれるような中編でした。 舞台の原案として書かれた脚本&絵コンテを用いた作品。 アクションと会話主体なので、序盤は…

舞城王太郎『NECK』その二(復)

今年、終わっちゃうんだ………… あ、来年も宜しくお願い致します。ぺこり。

舞城王太郎『NECK』講談社文庫、2010

『ディスコ探偵水曜日』や『九十九十九』、『スクールアタック・シンドローム』などで常にこちらの度肝を抜いてくれる舞城王太郎ですが(チョイスには露骨な意図が含まれています)、今回は『首』を素材として、それを用いた短篇集を出してくれました。でも…

舞城王太郎『NECK』その一(復)

ゆ、ゆきがふってきて、積もる…………

トルーマン・カポーティ『冷血』新潮文庫、2006

:一九五九年、アメリカのカンザス州で起きた一家惨殺事件、それを取材し、まとめた本。 ばっさりと書いてしまうとこれくらいの文章しか残りませんが、カポーティは『徹底的』な取材の上で、この惨殺事件を描いています。殺された一家がどんな人たちだったの…

カポーティ『冷血』(復)

PCが壊れたと思ってたり、壊れてなかったり、直したと思ったらややこしくなったりと、平穏でないPCライフ。

アーヴィング・ストーン『炎の生涯 ファン・ゴッホ物語』フジ出版社、1975

:オランダ、ある牧師の息子で当初は画商であったけれど、次に牧師になろうとし、失敗し、画家になり、絵を描きはじめて貧困と苦悩の境目で常に呻吟し続けた男の話。名前はフィンセント・ファン・ゴッホ(この名前はドイツ語読みで、オランダ語読みではヴィ…

アーヴィング・ストーン『炎の生涯 ファン・ゴッホ物語』

気温が、一桁、か…………

仁木英之『僕僕先生』新潮文庫、2009

:僕僕先生かわいい! 王弁ダサーい! から始まる(別に始まりません)中国唐代を舞台にしたファンタジーノベル第一弾。ちなみに第五弾まで既に刊行されているので、一気読みにも最適。文庫本だと第三弾まで発売されています。 この本の概要を文章で表すとす…

仁木英之『僕僕先生』

風と雨のせいで、死にそうな日々です。温かいものが食べたい……

フランツ・カフカ『変身』新潮文庫、1952

:ある朝、気がかりな夢から覚めたグレーゴル・ザムザは自分が巨大な一匹の虫になっていることを発見した。そうした文章からはじまる、変身したグレーゴルの虫としての日々。 カフカ自身によって『不完全』と言われたこの小説は、僅か百ページ前後のものであ…

フランツ・カフカ『変身』

なんか最近頓に寒くなってきたので、風邪とか引かないか心配な日常です。しかし一ヶ月ぐらい前の風邪が未だ治っていないことにさりげない危機感。こじらせないと良いのですけれど。

多久弘一『中国怪談奇談集』里文出版、2002 その二

【お爺さん、二人の孫を刺し殺す】 :タイトルだけですべてを語ってしまっていますが、化物に騙されたおじいさんが今度は奴らをぶっ殺してやろうとあれこれ策謀しているうちに、なんとお孫さんを殺してしまった話。というかそれくらい気づけなかったんでしょ…

多久弘一『中国怪談奇談集』後半(復)

ということで、後半戦になります。やや間を空けてみましたが、こういう形式だとどうなるか現在試行錯誤中です。うーん。

多久弘一『中国怪談奇談集』里文出版、2002 その一

:たまには趣向を変えてアジアから攻めようと、中国産の怪談集です。長くても十ページに満たない掌編サイズの怪談が多いので、湿っぽい話が多いにも関わらず読者に与えてくれるのはサクサク感です。また単語にカーテンやブッ叩くなどの語彙がチョイスされて…

多久弘一『中国怪談奇談集』前半

いよいよ十一月になりましたが、時間が流れる早さに驚きつつも感想を書く日々です。というか寒くなりましたね……

豊田正義『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』

豊田正義『消された一家 北九州・連続監禁殺人事件』新潮文庫、2009 :一人の詐欺師であった男が、如何に北九州のとある一家を破滅させるに至ったか、七人の男女らをそれぞれによる殺し合いによって全滅させるまでに至ったかを暴いたノンフィクション作品。 …

山下定『自殺サークル』エニックス、2002

『それではみなさんさようなら』 本棚にあったのを発掘した一品。十年近く前の作品ですが、割れ物とかPC用語(専門的でない意味で)が出てきていて面白いのです。ワレズとかありました。 とりあえずネタバレなしで書きますと、最終的に作者が表現しようと思…

C・ド=プランシー『地獄の辞典』講談社+α文庫、1997

:読んで感じたことなのですが、地獄に関する辞典というよりも、中世フランスの文化辞典だと考えた方がいいかもしれません。そもそもこの著作の副題が、「地獄の辞典。精霊、魔神、魔法使い、地獄との交渉、占い、呪い、カバラその他の神秘学、奇蹟、イカサ…

太朗想史郎 『TOGIO』2010,宝島社

一口で感想を表すとすれば、「コーラをガブ飲みした時に喉がキ――――――――ンとなるけれど、それがまるまる続く感じの小説」でした。 特にそのキーン感覚が強いのが第一章です。一行目から始まる、グリンと目を惹きつける文章、常に生存ギリギリの、環境の過酷さ…

日記再開+ごめんなさいを(復)

ええと、一年空いてますね…………。 未だにここを見ていらっしゃる方(とても素晴らしい方であると同時に申し訳なくなります)がおられるとすれば、まずごめんなさいとしか言いようがありません。 粛々と更新を再開させたいとは思いますが、今度は続けられれば…