第三回目になって安定してきた感もありますが、DVDの残念感がどうにもたまらないのです。
第五幕『あなたは婚約者を愛していますか』:決闘の音は高く、伯爵の眼は冷たく。
招待された屋敷の中を船で移動していたアルベールたちは、以前ルナで眼にした少女、エデに出会う。伯爵に対する彼女の立ち位置という話題から、いつしか貴族同士の結婚へと話は移り、同じく招待されていた軍人マクシミリアンによる批判にアルベールは激昂し、決闘へと事態は縺れ込んでいく。
もはや超常に近いような屋敷の中を船で移動し、出会ったのはエデという少女でした。神秘的とも楽器的とも言えるような造形の彼女は物語のキーに近いような存在で、動向が気になる今日この頃。アルベールが直面したのは軍人との決闘であり、そこに両親の潔白を賭けて望んだ彼は敗北し、海(室内です)へと転落していきます。幻のような水中から伯爵によって引き上げられた彼の眼には、伯爵の姿見が大きく大きくなるのでした。その心境の変化はまさに若さ故の、疑いをまるで知らないからこそ。
蜘蛛の巣のように拡がるアルベールに、パリへと深化を遂げる伯爵。次の波紋はアルベールの許嫁、ユージェニー。
第六幕『彼女の憂鬱、僕の憂鬱』:廻るのはユージェニー、エデ、アルベール、螺子のように。
マクシミリアンに敗れて以降、許嫁というものに疑問を持ち始めたアルベールの元に訪れた、伯爵からのオペラ座チケット二枚。彼は許嫁のユージェニーを誘い、また伯爵をユージェニーの父、辣腕を振るう銀行家ダングラールに紹介する。そしてオペラの幕が上がり、亡きプリンスの席に現れた伯爵とエデ。エデはそこに訪れていた、アルベールの父フェルナンを見て、何かに眼を震わせた後に失神する。
父親は金の信者で、母親は放埒に振る舞い、この両親からどうしてこの子が生まれたんだろうと思うほどワンダフルなユージェニーですが、彼女もまた様々な悩みを抱えていました。アルベールとの関係は幼なじみ兼許嫁でありながら、近づいては離れ、擦っては擦り傷を残すような、何か座りの悪いものでありました。ユージェニーの屋敷に波を立て、ゆっくりと鳴動を繰り返す伯爵。フェルナンを見た途端、心の幅を振りきってしまうエデ。関係無いですが、今回作画が良くてやたらぬるぬる動きます。あと馬のエクリプスがかっこいい。強そう。
気を失ったエデを見据えるモルセールの眼はどう見ても悪役ですが、以下次号!
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/08/24
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