がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

2016-01-01から1年間の記事一覧

LIMBO(復)

俳句ひとつ。〈LIMBOには林檎をひとつ持つてゆけ〉 [季語は林檎。辺獄なんていうところに行くんだから何か携えてゆきなさい、という感じ。リンゴとリンボをかけた辺りも、ちょっとあります。]

留置場(復)

川柳ひとつ。〈羊羹に万歳したく留置場〉 (季語なし。地獄の如き環境においては甘味ひとつにも慈悲を覚える次第でもある。)

欠伸はこれで(復)

俳句ひとつ。〈芋を煮る欠伸はこれで七度目だ〉 (季語は芋。料理している最中に気が抜けて欠伸することもままありますが、あまり疲れてるならちょっとうとうとしてもよいのでは?)

お皿に渡す(復)

俳句ひとつ。〈梨剥いてお皿に渡す午後三時〉 (季語はなし。梨を食べられる状態にするだけのもの。しかし人と食べるのでなく自分が食べる用に作るのもアリですよね。人と話しながら剥くと怪我します。)

ソマリ人(復)

俳句ひとつ。〈ソマリ人芋煮会見て写真撮る〉 (季語は芋煮会。訪れた人がぐつぐつ煮えたデカイ鍋を見て写真を撮る様子。しかしソマリ人でなくとも島根人とかドイツ人でも通じるので言葉が動いちゃう。)

赤ずきん(復)

俳句ひとつ。〈赤ずきん赤のまんまを摘みにけり〉 (季語は赤のまんま。秋に咲く赤い花だそうで。赤ずきんちゃんがひいふう取ってたら絵になるんですが、しかし日本列島に彼女はいるんでしょうか。)

脂肪が大事(復)

俳句ひとつ。〈レースより脂肪が大事馬肥ゆる〉 (季語は馬肥ゆる。こんな季節に競馬なんてやってられるか! もっと桶をよこせ! という馬。食べ過ぎはよくありません!)

師はいない(復)

俳句ひとつ。〈師はいない家族は遠い秋の蝉〉 《季語は秋の蝉。元気が良い蝉もいますが、死にかけた蝉を見たら暗いことを考えることもあります。でも俳句はあまりネガティブなものを好まない一面も。》

再利用(復)

俳句ひとつ。〈朝食を再利用する夜食なり〉 (季語は夜食。残り物が出てくるってよくあるパターンですが、夜食に入ると一気に寂しさが出てきます。でも新しすぎても胃が辛い。)

無敵が通る(復)

俳句ひとつ。 〈そこのけや無敵が通る濁酒〉 (季語は濁酒。お酒が入った状態で大通りなどの広い場所を歩いてると、なんか無敵になった感じがしませんか? ただし車やチャリに接触したら危ないです。)

酸い甘い(復)

俳句ひとつ。〈酸い甘い吹き飛ばしてゆく唐辛子〉 (季語は唐辛子。たまにマジで辛いのに出会うと、なんか人生の思い出とかこれからの計画とか消え失せるぐらいむせる時とかありません?)

カルア(復)

短歌ひとつ。〈ラムレーズン摘んで食べる人がいるカルアの瓶は不満気に見る〉 (季語はなし。何を食べるかは人それぞれですがそれに対してある種の考えを持つ人もいます。それは人というカテゴリから外れることもあります。)

座敷わらし(復)

短歌ひとつ。〈ある村に座敷わらしがおったとさ今じゃその村首都となり果て〉 (繁栄に関する一つ。家がでかくなるにしても限度がありますね? そして繁栄した結果は必ずしも個人の幸せに繋がるとは限りませんね?)

ハンラハン(復)

短歌ひとつ。〈おめかけを千人作ったハンラハン子種ども皆報いとなり来る〉 (季語はなし。ハンラハンはイェイツ詩集より――各地に恋人がいた田舎の教師だそうで。子どもを作りすぎると後ほど骨肉の争い、勃発しません?)

サンダーボルト(復)

短歌ひとつ。〈平原にサンダーボルトがそびえ立つその瞬間を見逃した馬〉 (季語はなし。原っぱに雷が落ちた瞬間に動物が怯えたという説があり、また雷などはありふれすぎているので、わざわざ首を向ける価値もないという説明もできそうです。)

電話番号(復)

短歌ひとつ。〈ポスターの電話番号書き写す高校生の生徒手帳や〉 (季語なし。なんとなく子どもだと道端でボーッとしてて許容される感じがしますが、しかしどこの番号をメモしてるのか。)

栗もなか(復)

短歌ひとつ。〈おにぎりを包むしゃけ梅栗もなかチョコも押し込む十二歳〉 (季語なし。子どもならではというか、どんどん悪乗りが過ぎていくことがありますよね。闇鍋とか。ただその場合良い方向に着地する可能性はあまりないです。)

万引き(復)

短歌ひとつ。〈万引きをひっ捕らえた店長は巌のような背中になりぬ〉 (季語なし。普段おとなしい人がいきなり活火山みたいになることがありますが、そんな感じ。店員の目なのかあるいは監視カメラの目なのか。)

おにいちゃん(復)

短歌ひとつ。〈いつまでもぼくのまえいくおにいちゃん今日はインドに明日コスタリカ〉 (季語なし。最初は子どもっぽい感じだったのが後半いきなり変な所に行ってしまう感じ。しかしすばやく移動しきるのは距離的に難しい気がします。)

ピストル(復)

短歌ひとつ。〈ピストルを構える男赤スーツ夢か現か銃口覗く〉 (季語はなし。ちょっと映画チックな感じになりました。モデルガンでも先端を見るのって少し怖くないですか?)

らあめん(復)

短歌ひとつ。〈らあめんを手にし伍長の肩付け根おばちゃんの目はじっと見る〉 (季語なし。民間からすれば、兵隊の体つきとか気になりません? という。しかし暖簾つきの屋台だとおじちゃんの方があっている。)

雨(復)

短歌ひとつ。〈酔漢が雨にまかせて声を上げ虫らがはたと黙るものなり〉 (季語なし。いきなりわけわからんこと言い出すと周りは黙りますがその典型というか。いずこの世界にもトンチキはいるような。)

告知(復)

短歌ひとつ。〈告知後にすれ違う人その目つき交番にあるそれと似し〉 (季語なし。なにか重大な事が起こったか冷や汗を掻いた後、自分が目にする人々がそれに感染したようなものに思える時がある気がします。)

炙りサーモン(復)

短歌ひとつ。〈妖精に炙りサーモン食わせれば落雷のごとくショック受け〉 (季語なし。ファンタジーの世界で東京ドームを目にしたような感じだと思うんですが、実際食べた本人はどう感じるんでしょうかね。珍味?)

丁半(復)

短歌ひとつ。〈丁半に身ぐるみ掛ける女ありその白髪はましらの如く〉 (季語はなし。博打狂いって恐ろしいですよね、という感じ。しかし猿の毛って短い印象なので最早この人間は坊主といった方が正しそう。)

平和(復)

短歌〈平和とは斬り合う前に礼をして事後の処理をば行う事と〉 (季語なし。争いの終了後に片付けをきちんとできるとグッと良いほうに行けると思うんですが、しかしそれが完璧に行われる例は滅多にない、という感じ。そもそも争う時点でどうなの? という気…

竜巻(復)

短歌ひとつ。〈竜巻をハシゴするべくアメリカを横断していく自転車の群れ〉 (季語なし。前に見たハリウッド映画を思い出す書割り。しかし自転車だと巻き込まれたらヤバイ。そもそも追いつけるのだろうか。)

害虫(復)

短歌ひとつ。 植物を愛し続ける人々は火を害虫のごと忌み嫌うもの (季語なし。火と植物は相容れないものとして書いたものだが、しかし火と暮らす植物や大樹もあるのでは? という考えもある。)

御来光(復)

短歌ひとつ。〈御来光ともに目にせり登山服頷きもせず元日の朝〉 (季語なし。富士山山頂にて。案外偶然巡りあった人でも、結末が一緒でも特に親近感がわかない時とかありますよね? 第一印象良くないとか。おそらく別々の道に別れる。)

沈黙(復)

短歌ひとつ。〈百キロを河が一夜で越えて行くそれはいつでも沈黙である〉 (季語はなし。雄大さを出した感じと敢えて沈黙という語を混ぜてみたが、むしろ自然は雄弁では? という気もする。)