がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

二日目

 早速UPが大幅に遅れました。やっぱり朝6時という条件は辛い。

今朝のあさぺーぱー







初夏の通学路









「そ、そんなの、お姉ちゃんらしくないと思います」

 椋の言葉に、あたしははあ? と、自分でもわかるくらいに間抜けな顔を思わず浮かべてしまう。

「……えっと、何て言うか…、お姉ちゃんはそんなんじゃいけないんです。もちろん訊いて欲しいってわけじゃないですけど…」

 それきり俯いて、何も言わなくなった。

 あたしも出てくる言葉が無かったので、そのまま窓の外に目をやった。

 道に並ぶ街路樹は、透き通るように青い。



 椋の言いたいことは良く分からない。だけど、あたしが思いもしなかった場面でどもりはじめたことが、なんとなく気になって仕方がなかった。

 確かに、あたしは以前とは変わったと思う。

 以前のあたしは、意味もなく遅刻をして、意味もなくバイクに憧れて、通学路ではそのバイクを意味もなく歩くくらいの速度で走らせて、そして時々、そんな通学路で意味もなくあいつに逢ったりしていた。

 そういった意味のないことは、近頃しなくなっていた。



「あ、あの…お姉ちゃん」

 不意に呼びかけられて振り返ると、椋はカードを手に、緊張した面持ちであたしを見つめていた。

「占い、やってみませんか。…その、当たらないと思いますけど」

「そんなことないって」

 カードに手を伸ばすと、その内の一枚がするりと椋の手から抜けて床に落ちた。

「あー。ほら椋、気をつけなよ。ちょっとごめんなさいね」

 ぼーっと突っ立っている気の利かない男子生徒を押しのけてカードを拾い、椋に手渡す。

「…あ、これは」

 あたしが差し出したカードを見て、椋は何かに気が付いたように言った。

「女帝のカードですね。逆位置だと嫉妬、独占欲、束縛、我が侭、欲求不満なんかを意味するカードです」

「なんかロクな意味のないカードねー」

「でもこのカードは正位置だと、幸福、母性、愛情と言った意味を表します。……きっと、そういった感情は表裏一体なんですよ」

「ふぅん」

 最近幾度か椋に対して覚えていた敗北感を、この時もあたしは感じていた。

 だけど、それを受け入れてしまえば楽になれるということに気が付いたのは、この時が初めてだった。





(おしまい)








◇今朝のニュース◇

・「おやじ日本」設立

  顧問に星野仙一さんと狂言師野村萬斉さんが就任。「おやじ日本」とは子供の健全育成のための父親グループ「おやじの会」の全国組織。



・PCシェア、ソニーを抜きデルが3位に

 一位はNEC(21,7%)、二位は富士通(20,7%)、三位のデルは9,7%