がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

今日のあさぺーぱー

 そういえばるなさん。私が怖いモノ知らずってどういう意味ですか?(にっこり)。ここ見ていない気がするな……。








一番のヒト(デ)









「あっ」

 渚の体がぐらりと揺れた。俺は後ろから抱きかかえるように、渚の体を支える。

「無理するな……」

 本当は今日学校へ来ることさえムチャだったんだぞ。

 続きの言葉はぐっと飲み込む。

「そうも行きません」

 渚は俺の肩に掴まるようにして、ゆっくりとまた歩を進め始めた。

「今日で、この学校ともお別れです。……だから、わたしはこの景色を覚えておかないと。……また、ただいまを言うために」

 それが何時になるのか分からないということは、渚が一番分かっているだろうに。

「わたしはまた必ずこの学校に来ます。だから、しばしのお別れです」

「そうだな……」

 グラウンドを駆け抜ける風を受け、髪を押さえながら決然とした表情で渚が言う。

 そんな渚を、俺は――





 思わず抱きしめて、唇を重ねていた。





「朋也くん……」

 渚がすっと手を伸ばした。その先には――

「ふぅちゃんが――」

 俺と渚の様子をぽけーっとした表情で見ていた。

 俺は自分でも分かるくらいに血相を変えて風子に近づいていった。

「た、頼む、頼むからこのことは……」

「大丈夫です。風子はオトナですから――」

「デ○ーズのハンバーグ定食10回で、このことは黙っててあげますっ」

「賄賂を要求するのかよっ」

 確かに大人だった。



 暮れなずむ景色の向こうに、一番ヒトデ……じゃなくて星が瞬いていた。








(おしまい)








◇今日の一言◇

・AIRアニメ版が放送されます(情報はKEYのオフィシャルページに掲載)。ちょっと期待したい。