内心「ああ、もう駄目だ」と思いつつ列の後ろにしょんぼりと並ぶと、急に列の前方辺りが動き始めました。何だ、もう移動させられるのか身構えると、すぐ前の人が『一般参加最前列』のプラカードを掲げました。
……もしや、あの百人超の集団、殆どがサークルさんだったの?
何だかさっきまでの諦念が物凄く恥ずかしい代物に思えてきましたが、そこはなんとか落ち着いてカバー。全然カバーしきれていない気もしますが、無理矢理にカバー。
カタログチェックをしつつ待っていると、とうとう入場時刻の一分前。スタッフさんが階段で走るなとか注意事項を告げている中、こっちの心はスクランブル状態。駆け足ならず下手したら全力疾走な勢いでした。きっと走ったら途中で転んでドミノ倒しになって大惨事になったでしょう。
開催と告げられる間も無く入り口が開き、参加者が突入。ここらへんはコミケとそんなに変わりません。目の色を血走らせて脳みその中に突っ込むサークルさんの場所を幾つか押し込めておき、後は感覚の赴くままに。
そして私は委託物が保管されている企業ブースに突撃。狙うは花映塚、獲るは花映塚。
かくしてブース内に着くと、目にするのは東方永夜抄、東方妖々夢、東方紅魔郷、東方萃夢想、他様々な音楽CDの数々。
………花映塚は?
他に来た人も「花映塚が無い?」「花映塚」「あれ? 無いの?」と困惑の様子、段々とざわつき始めました。
もしや委託される際に運搬物が事故に遭ったか、もしくはその巻き添えになったか。まさか委託担当のスタッフがどっかのオークションに横流ししたか。いずれにせよ恐ろしい想像が脳内をかけめぐり、そこにスタッフさんの声が委託コーナーに響きました。
『東方花映塚は委託されるのが9月に入ってからになりますー!』
Σ(゜口゜;)//
………委託される日、きちんと確認しておけば良かった………
くよくよしていても仕方が無いので、『幻想曲抜萃』と『博麗祭事記-遥霞月-』を購入、適当にサークルさんを見繕って買い物をすませたり挨拶を済ませると、午前中で切り上げて帰りました。その帰り道で雨に降られました。
…ムナシイ。