がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

プラハの深い夜/パヴェル・コホウト


 とりあえず、濃い本でした………


 舞台となるのは日本ではなかなか珍しいチェコ、それに時代設定は第二次世界大戦の末期です。


「1945年、ドイツ軍占領下のプラハで、未亡人ばかりが殺される事件が連続発生していた。遺体からは心臓がくりぬかれるという常軌を逸した残虐な方法だった。捜査にはプラハ警察の刑事モラヴァ、もう一人はドイツ検事局検事ブーバック。二人は牽制しつつも捜査をすすめるうちに互いの人間性を認め合うようになる―――」

 という感じの紹介。ちなみにチェコのミステリって結構有名らしいです。



 評価としては当時の情勢や占領者、被占領者としての民族の葛藤などが描かれていて学術的にも興味深い本だと思うんですが、最後の方で違和感。なんか、入れるべきシーン、一つ抜けてない? それくらい大きい。


 あと、上下段合わせて四百五十ページという大作なためか、どうにも最後らへんが無理矢理終わらせたという感じがしなくもありません。ラストの文章も色々と含みがあるようなのですが、一見だと首を捻ります。おそらく共産主義に毒されたチェコの何たらかんたらって感じなのでしょうが………


 ちなみに誤字脱字が他の本より多めです。こういうのいけないよなあとか思いながら訳者紹介見てると、2006年現在で七十歳を越えた方でした。そりゃ間違えもする。