がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

ミサイルマン(平山夢明)


 さくさくっと読み終えたので読了。全体的に読みやすく良い本でした。


基本データ
:短編集、定価1600円、光文社ハードカバー、2007年発行。


  • 『テロルの創生』

 SFです。平山要素はあるんですが、これ最初に置くのがなあ……という出来。下手にSFに足を突っ込んだせいで、どうとも動けなくなった印象があります。
 ラストももうちょっと手を加えられたんじゃないかなと。

  • 『Necksucker Blues』

 変にキモイ作品になっています。むし! むしがでる!
 科学的な立証が出てくる部分は面白いのですが、小説的におかしい所が一箇所あるように見受けられて興ざめになりました。あれだ、ご都合主義。

 

  • 『けだもの』

 序盤部分は動きがなくて読みにくいのですが、ページをめくるにつれてぐいぐいと引き込まれてしまいました。妻が阿呆すぎて逆に面白い。
 見所はいろいろとあるのですが、作品中にでてくる悪人が一番素敵でした。鬼畜すぎてとても魅力的。良作。

  • 『枷』

 この作者がいかに拷問について博識なのかよく分かりました。げぇ。
 これくらい馬鹿な作品(褒め言葉)が書きたいです。同じくらい読みたい欲求も強いです。芳醇なワインを飲み干してうっとりしていたらグラスに透明な虫が入っていたのを見つけたような読後感でした。ある種スッキリ。

  • 『それでもおまえはおれのハニー』

 平山にあるまじき綺麗なオチなんですが、微スカトロあるんで注意。あと他作品より短いです。
 耳のシーンでは思わず頭を押さえてしまいました。

  • 『在る彼岸の接近』

 作品中提示される幾つかの要素、シーン、人の動き。それらが思わせぶりな動きを示すのですが、最終的に全ての謎が解けるわけではありません。つかこう書くとネタバレですね。
 むしろこれは読者に推測させることを狙ったのではないかと思えます。関係あるものや関係ないもの、そのまま核心に迫るものもあればそうでないもの。短編でこんなに考えるというのも何ですが。
 じっくりと腰を据えて読みたい作品。まあ損はしません。

 表題作。
「イヤッホー今日はババアを埋めた! ジジイの頭をホームラン! この後は人肉食って姉と弟をレイプしてからアーケードをトラックでかっ飛ばすぜ!」
 こんな作品だと思ってもらえればいいです。シゲ最高。
 帯には『人殺し青春小説』とあるんですが、よく考えてみたら確かにその通りで頷けます。


 平山夢明の短編集は全部読んでしまったので、次は積み本の舞城かちくま文庫岩波文庫あたりにでも手を出します。


web拍手のお返事をば。
>14:57 緋想天なら何千メートルもトべない代わり数キロの早さで画面中移動します!
早すぎるよ! ゲームバランスが確実に崩壊どころじゃなくてもうソフト自体バグだよそれ!
緋想天はいまだ手に入れていなくまた委託を買う予定も今のところないので、ラスボスである緋想天子さんを見るのは当分先になりそうです。音楽をZUNさんが全面的に担当しているわけでもないらしいですし。
とりあえず鈴仙が出るらしいんで既に満足です。発狂モードとか見たい。