がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

悪魔の迷宮

製作:きつねみみ饅頭


感想:一言で言うなら何この鬱病誘発ゲーム。
ストーリーは小さい女の子が迷宮の中に閉じ込められて(すっぱだかです)脱出しようとするものなんですが、とにかく暗い。迷宮は暗いし陰湿ですし不快なんですが、少女もまた暗い。割とエログロな罠やトラップや仕掛けを潜り抜けて結末に近づいても、底知れぬ闇のように絶望感がプレイヤーを包み込むのである種どっぷりハマれるのですが、途中で投げ出す人もいるかもしれません。とは言えそうしたダーク性をひしひしと感じさせるほど文章が面白く、ホラーとしての表現もかなり上出来です。難を言えばエロシーンが入っているせいでやや冗長気味な点があります。
しかし、絵がちょっと残念な所があるためか一番怖がるべき場所やエロシーンにおいても「ああここ怖いところね」「へーエロシーンなんだー」と軽くスルーしてプレイすることができます。むしろこれはプレイヤー救済システムかと疑ってしまう私。
ホラー好き&ロリ好きはプレイしておいた方が吉です。背筋がひんやりして頭がガンガンします。
またこのゲームにはバッドエンドが多数ありますが、殆ど全部が暴力的表現もしくはグロ表現が多数なので文章に挑戦する際は覚悟してください。まあ絵で緩和されるんですが。
あなたは少女を迷宮に突き落としました。願わくば、少女を空の下へと連れ出してあげてください――






ネタバレ感想:なんですかこの救いの無さは。
最後の最後にどんでん返しがあると思っていたら来ました。やられました。母親でした。文章だけならばまだ耐えられたのですが、絵が絶妙にマッチしていて最高のホラー演出となっていました。顔が無いことがこんなに恐ろしかったなんて!
しかもこの一枚絵だけやたらと力が入っているようで思わず変な声が出ました。見比べたら明らかに他と違う!
最終的な設定については壮大すぎてちょっと現実感が薄いものだったのですが、ラストの母親で帳消しです。
ちなみに絵なんですが、悪夢録で見返したら右側に靄のようなものが漂っているんですね。なんでしょうねこれ、想像したらかなり怖いんですが。
クリア当日は衝撃度の大きさに夜中眠れなかったのですが、今現在でもラストの衝撃は大きく頭に残っています。
疑問なのは檻の部屋でしおん以外に囚われていた少女たちなんですが、彼女らは『悪魔が自分を変化させて作った肉人形で触手や服と同じようなもの』でいいのでしょうか。それにしてはしおんを助けた少女がいたのが不思議です。
バッドエンドは色々とありましたが、好きなのがしおん発狂エンドと悪魔エンドでした。ちょっと長い比喩もうまく読み込めます。
あと、しおんの立ち位置としては『悪魔に捕まって魂をいじくられているうちに、世界が滅んで悪魔の庇護により一人だけ残った人間』ということになるんでしょうか。見事に希望を粉砕しているゲームですこれ。
続編がシェアソフトであるようですが、はてさて。