僕たちの週末（機本伸司）

粗筋：二〇五〇年、太陽活動の異常によって人類に滅亡の危機が迫るなか、ネット上で<宇宙船をつくりませんか？>というサイトが出現。スタッフに応募した瀬河那由は天文学者である神崎と接触し、宇宙船を作るという無謀な計画に巻き込まれていく…………
なんか宇宙に関するSS書きたいなあ、と思い探り当てた小説でした。
設定は割りとどこにでも転がっていそうなSFですが、そこに包含されている天文学・物理学に関する知識は膨大でかなり参考になりました。日ごろブンガクやホラーばかり読んでいる人間にとっては新鮮です。
とは言えキャラクターやお話の進め方は薄すぎと思えるほどスカスカです。処女作である「神様のパズル」と共通していますが、設定や専門知識の割合が大きすぎてつりあいが取れていない印象です。無駄にページも厚い。
そういや表紙に載っている人って、主人公である瀬河那由と神埼正でいいのでしょうか。よく見ると神崎の顔が意外とごついです。天文学者なのに。

僕たちの終末 (ハルキ文庫)