がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

映画紹介

黒沢明作、蜘蛛巣城を観ました。
蜘蛛巣城 [DVD]
どっかでこのストーリー展開は観たことがあるなあ、と思ったら、シェークスピアマクベスを題材にしているとのこと。
普通に良い作品だったと思います(と、言っても黒沢さんレベルでの話。並の映画の水準は遙に超えていると思っています)。
古い作品なので、美学や映像にやや時代の移り変わりを感じる部分もあったのですが、それでもその凄みは伝わってきます。何と言っても、大人数を動かした殺陣のシーン、特に主人公に矢が射かけられるシーンなどは、今でも褪せない迫力を持っています。
マクベスは西洋の物語ということもあって、読んだとき(劇を観る機会には恵まれていません。残念ながら)はちょっと納得いかない部分もあったのですが、この作品はそれを日本的に作り替えるという試みに、見事に成功していると思います。
特に、主人公の奥さんの、浅茅のおぞましさが良かった。
ちょっと音声が聞き取り辛かったことと、ストーリーが王道過ぎることに不満も覚えましたが、些末な問題でしょう。