がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

龍が如く 第五章


一旦はセレナへと戻ってきた桐生たち、伊達と合流して事件の整理をしようとしますが、これからどうすればいいか見当もつきません。そこへシンジから連絡があり、なんと風間さんを連れて逃げているとのこと。先日狙撃された身ですから、再び危険に晒されてもおかしくはないと考え、身を潜めようとしているらしいです。そして連絡がとれるようにシンジに桐生が携帯の番号を教えている最中、伊達さんの背中が侘しく見えたのは気のせい?
ただ待つだけというのは性格にあわない桐生さん、情報屋であるサイの花屋を訪ねることにしました。何でもこの町では伝説とまで言われた人間で、彼の手に入らない情報は無いそうです。にしても伝説ってネーミングはちょっとなあ。
彼が居ると噂されている公園に向かう最中、伊達の携帯に見知らぬ番号からの電話が。すわオレオレ詐欺かと身構えていると、どうやら未払いのローンを払えという内容、しかも間違い電話です。フラグを切るのはなんだか勿体無いので、ここは強情に推し進めてみました。
そしたら、回収屋がやってきて無理矢理取り立てようとしました。
しかし相手が一般市民ならともかく、相手は伝説の極道。軽くノックアウトすると、「すんません……」と向こうからお金をくれました。無理に取り立てるのはアレですが、そういうのから金を巻き上げるのも十分アレですよね。
気を取り直して向かおうとすると、再び電話が。第二章で世話になったホストのユウヤからで、何でも恋人のミユがショーパブに出演するので是非来てほしいということ。絶対何かあるなと思いつつも承諾。無事にミユのショーが終わり次の人のショーも観ていると、ごく自然にショットガンを取り出した彼女はぶっ放してきました。しかも男です。「死ねや、親殺しぃぃぃ!!」と叫びつつも射殺しようとする殺し屋をなんとか撃破すると、ミユが連れされられたことに桐生は気付きます。熱血ホストであるユウヤは桐生が止めるのも聞かず、指定された碁会所へと乗り込んでしまいます。結局人質にされるんだけどね。
それに続き桐生も乗り込み、出迎えたのはなんと風間組の構成員。元は堂島組にいたものの、桐生が堂島を殺害(表向きは)したことにより無理矢理風間組に入れられた奴らです。親父の敵と襲ってきますが、ここで殺されるわけにはいきません。なので灰皿や椅子やテーブルでばっこんばっこん応戦しました。
組員たちの恨みの声を背中に受けて、ユウヤたちを救出した桐生は碁会所を後にしました。
その後も「てめえヤクザだな!? 死ねえええええええええええ!!」とゴルフクラブ片手に殴りかかってきたサラリーマンを撃退したり、いちゃもんをつけられては軽くいなしたり、「お前ケンジじゃないか!!?? この馬鹿息子め、一体どこに行っていたんだ!」といきなり桐生を見て息子だと思い込んだホームレスの相手をしてやったりと、大忙しでした。
そうこうしているうちに公園に辿り着き、公衆便所にそれとなく入ります。
その途端、どこから現れたのかホームレス連中から拳銃をつきつけられました。「公衆便所はみんなの物だろ?」とさりげない名言を残しつつホームレスを威圧する桐生、一触即発の状態でしたが、そこにサイの花屋から直々に許可が下りたと伝える電話があり、桐生はカタコトで喋る黒人に連れられて奥へと通されます。
そこは、行き場の無いホームレスたちが暮らし、サイの花屋が本拠地として使用し、また金の使い道が分からない金持ちたちが地下闘技場やカジノに金をバカスカ使う場所、賽の河原でした。
サイの花屋の下へ案内される桐生、服装としては素肌にジャケットを羽織るという尋常じゃなく寒そうな格好ですが、暖房でもついているんでしょう。多分。
花屋から情報を貰う代わりに、なんと桐生は闘技場で連戦しなければいけない話になりましたが、これを桐生は楽々とこなしていきます。米国からの脱走囚とか元世界王者とかいましたが、伝説の極道の前では全てが霞みます。何せ伝説ですから。
最後に現れたのは、桐生をサイの花屋の所に案内した黒人でした。「即死と腹上死……お好みは?」という多分龍が如く史上最強の名言を言い放ちつつ、桐生に向かって拳を振るいます。結局桐生が勝つんですけどね。
そこに来客がやってきて、二人は地下深くにある、モニタールームに通されて様子を見ることに。その客とは伊達で、花屋が取り付けたカメラの映像を巻き戻してみると、なんと遥がさらわれていました。どうやら伊達は桐生を頼ってここまでやってきた模様です。
急いで伊達の元に向かう桐生ですが、当の伊達は過去に逮捕したホームレス達に囲まれ、リンチされかけているところでした。とはいえ相手はホームレスなので、桐生の手にかかれば二十秒かかりません。
助け出した伊達から聞き出した情報によれば、遥を誘拐したのは真島組の連中。真島の兄さんです。過去の真島さんを思い出し、思わず桐生も渋い表情。あんだけ狂ってればねー。
バッティングセンターに止まったらしい彼らを追いかけ、桐生は走ります。待ち伏せしていた真島組の構成員は蹴り飛ばします。
ようやく到着すると、目の前にはふらりと現れた真島の兄さんと舎弟たち。のっけから「てめぇノリが悪いんじゃ!!」と仲間の一人を撲殺するところから見て、マジで狂ってます。
何気にガチで強い兄さんですが、勝負も佳境に入るにつれて、真島の兄さんもとうとう膝を付いてしまいます。そこへ不意をついた一人が桐生を刺し殺そうとしますが、兄さんはそれを「桐生を殺すのは、ワシだけなんじゃぁぁぁぁぁ!!!」と自分の身体を盾にして止めました。
これにはもう脱帽です。
ドスが腹部に突き刺さり、あえなく昏倒する兄さん。慌てて残っていた部下たちが救急車を呼び、その場を離れていきます。戦闘終了。
そこへ逃げ出してきたのか遥が駆けてきて、震えながら桐生にしがみついてきます。それもそのはず、彼女が体験したのは紛れも無い誘拐でした。大の大人でさえ恐ろしいと感じるもの、子供なら尚更です。
一旦はアレスに戻ってくると、遥から事情を聞きます。どうやら捕まっている最中に桐生でも伊達でもない男がやってきて、遥の縄を解いたということでした。誰なのかと首をひねっても、見当もつきません。
そして男にペンダントを持っているかどうか尋ねられ、首を縦に振ると……「そのペンダントには、100億の価値があるんだよ」と男は言いました。
そのペンダントは、かつて遥が由美から貰った物でした。母親から、これを渡してくれと…そう言われて、彼女は受け取りました。
一体このペンダントは何なのか、何故100億の価値があるのか―――。
一つだけ確かなのは、俺達はいつのまにか…事件の中心に置かれていたって事だ――桐生はそう言い、その場の誰もがそれに同意しました。
この事件は益々加速し始め、桐生たちには予想もできない進路へと彼らを導こうとしていました。
第六章に続く。