がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

世界は密室でできている。(舞城王太郎)

素晴らしく滅茶苦茶で破天荒で疾走しながらも物語として完成しており尚且つテーマとしての密室を使い切っている作品。
おそらく舞城王太郎の最高傑作の一作に入るんじゃないかと思ったり。
一口で言えばそんな感じの作品なのですが、とにかく物語のスピードがあらゆる意味で斜め上です。講談社ノベルス創刊二十周年記念密室本として発売されているのですが、これでもかというほど密室を使いしかもトリックの角度が尋常ではなかなか考え付きません。というか、密室をすっ飛ばして何かよくわからない代物になっています(褒め言葉)。
中盤辺りで物凄く意味ありげな描写と台詞が出ていますが最終的に解決していないことが心残り。これは別作品で繋げるつもりなのかそれともその場限りの描写なのか。あと登場人物。うぐるるる。
それはそれにしてもお勧めの作品です。何でもいいから飛び出した作品が読みたい方は是非。