がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

民主党について

ガラにもなくこんな夜遅くまで起きて、政治の話を書きます。
総選挙はネットの予想を裏切り、新聞の予想通りに、民主党が300以上もの議席を得る大勝、自民党は120議席を下回る大敗に終わり、情報を分析する能力においては、まだまだ既存メディアが新規メディアを上回ることを証明する結果に終わりました。
この結果を受けて、日本は変わるという意見、いやいや民主党は期待できないよという意見があるようですが、私は間違いなく鳩山民主党は日本を大きく変えていくと思っています。
変化しないと考えている方は、日本があまりに長期間政治的な停滞を続けていた為に、政治がどれだけの力を持つのかを見失っているのかもしれません。
しかし、政治の上から下へと利得を取り仕切り分配し、上はその上がりをもらうという、ある種任侠的な日本の支配体制は20年も前に旧弊と化していたのに、自民党はそのシステムを修正することができませんでした。それは、自民党がアンシャンレジームと一体になっていたが故の限界だったのかもしれません。
ですが、少なくとも鳩山民主党はその問題を理解し、その枠組みの外側から旧弊を変えようとこれから働きかけるわけです。政治は20年もかけて、やっと旧きものから飛び立つことができました。
鳩山さんの資質を疑う声も聞きます。確かに、そうした大事業の主としては、鳩山さんはいかにも頼りないようにも見えます。
しかし思い出してみてください。自民党への挑戦と言えば小沢さんが有名ですが、彼が自民党を離党する前に自民党と決別し、もしかすると小沢さんが離党するきっかけを作ったのは他ならぬ鳩山さんなのです。自民党への挑戦の歴史は鳩山さんから始まったとも言えます。
その時から、彼は意外にも修羅場をいくつもくぐり抜けています。改革勢力のリーダーとして、あるいは連立与党の柱として、そして菅さんと共に民主党を設立したのも他ならぬ彼なのです。もはや小政党とは呼べない民主党の中でも彼は幹部として経験を積んできました。
何故、正直政治家としてはあまりパッとしない印象の鳩山さんがこうして遂には首相にまで上り詰めることができたのか? そこにある種の彼の英雄的なもの、神の祝福とも言うべき幸運を感じてなりません。彼の提唱した政治理念が正しかったから、彼の誠実な人柄が好感を抱かれ党の内外に敵を作らなかったから、彼の家が資産も家柄も申し分なく、金とコネに恵まれていたから、そんな風に説明を試みることもできるでしょう。しかし、そのいずれか、あるいは全ての理屈を採っても、彼のあまりに例外的な首相への道程を説明するには足りないでしょう。
そこに、私は北条時宗のようなものを感じるのです。北条時宗はまさに元寇を退ける為に生まれきたような男でした。鳩山由紀夫もまた、操舵手を失ったこの国の舵を取るために生まれてきた男のように思えるのです。
今、彼の手の中には全てがあります。国民からの支持(それは既にアンチ自民党ではなく民主党政権に期待する声に変わりつつあります)、小沢さんのような類い希な視野と見識を持った軍師、鳩山さんと堂々と競い合ったライバルにして将来の後継者たる岡田さんや菅さんといった派閥の領袖(自民党の派閥はいつしかなれ合い所帯になってしまい、不良品総理を生み出すようになってしまいました)、総理を辞めると共に衆議院議員をやめると宣言した退路を断つ覚悟、未だ利権に塗れていない無垢な兵隊(小泉さんは天才的な政治家でしたが、惜しいことに自らの手勢がありませんでした)。これでは期待しない方が難しいというものでしょう。
鳩山さんがズッコケたり、これまで総理への道を切りひらいてきた霊性のようなものが失われない限り、この政権は久方ぶりに大事業を成し遂げる政権になると確信しています。