稲生さん作『寝子の夜』

東方創想話、作品集５６より。
ある日、博麗神社の軒下に猫が住み着いた所から始まる話。
ストーリーにそれほどの捻りはないのですが、文章や描写力が抜群なものとなっているために先を読みたい気分にさせてくれます。と言っても難解な単語（単に読みにくいだけ）が散りばめられているので、雰囲気を出すとしてももう少し咀嚼しやすいようにしてくれればなあ、と思います。
さながら二十世紀の上四半世紀的作品のように感じられましたが、作者さんがアイディアを閃いたのが萩原朔太郎の『猫町』だということで納得。戦前の人ですからそりゃ文章も古い。
全体的に見て上手いと言える作品ですので、読んでみて損はしないでしょう。
web拍手の返事。
＞PEシリーズの新作です pspadventure.com/psp-info/1167/
おーPSPでの登場ですか。
最近の携帯ゲームはなかなか侮れませんから、うまくすると名作になるかもしれません。個人的にはPS３みたいなド迫力ハードで出してもらいたかったりもしますが！

猫町 他十七篇 (岩波文庫)