がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

第二回KanonSSこんぺ中編そして感想のレス(K)

コンシュマー版の(つまりは音声の入っている)Kanonをプレイしたとき、気付くことがあります。
名雪は普段、あまり強い口調で言葉を発しないキャラですが、ゲーム中でただ一度だけ、まるで祐一に懇願するような強い口調でこう言うのです。
「わたしは、祐一にもこの街を好きになって欲しいよ」
彼女にとって“この街”とは母秋子と暮らす街であり、この街を出たことが殆どない(原作でそう言っています)名雪にとって、それは文字通り世界の全てなのでしょう。
男女の感情としてかどうかは置くとして、基本的に祐一の事が好きな名雪にとって、祐一が自分の過ごす街を好きじゃないという事実は本当に心を痛めるものだったのだと思います。
本SSはこの言葉を核に、更には祐一が「Kanonの舞台となる街が何故か好きじゃない」という設定、香里が「栞が死んだらこの街を出て行くつもりだった」という設定を絡め、(おそらくは今まであまり扱われなかったであろう)物語の舞台となる街、というものをテーマに書いてみました。
スピーチの内容についてですが、街と絡めて、要旨は大体以下のようになっています。


祐一 → 何故かこの街の事が嫌いだったんだけど、栞と出会えてこの街が好きになれた。
香里 → もう少しで栞と過ごしたこの街が嫌いになるところだった。でも、祐一のお陰で栞が救われ、この街を再び愛することができた。
名雪 → 彼女にとって世界の全てであり(名雪は街を殆ど出たことがないと原作で発言している)、母と住む大好きなこの街を祐一が嫌いになったのは、7年前の自分のせい(もちろん誤解。あゆが落ちたのを見たせい。というのが正しい)。


このように原作を捉え直す切っ掛けとして、キャラ独自の個性も出しつつスピーチとしてまとめたのが今回のSSです。
ただ、時間不足という事もあって、このスピーチを盛り立てるSSに、それほど力を入れることができなかったというのが正直なところです。




Foolisさん (5点)
OK、認めよう、悔いなく発表できたことに意味があるというのは。
でもやっぱり結果を何らかの形で書いて欲しかったですね。
そして、そのあとの栞とのやりとりとか。
蛇足っぽくなりそうですが、個人的にはほしいなぁと思います。

街についての主張は面白かったです。
香里のデータによる好きではなく、自分がこう思うから、という主張はいいと思いましたし、
また共感できるものでした。
私だったら香里のレポートが一番好きですね。

しかし、まさかSSコンペにこういう作品が来るとはなぁと思いました。



つねに新鮮な驚きを。
企業CMみたくなってしまいましたが(笑)、私が常に求めているものですので。
次の課題は完成度の充実ですね。




Mynonaさん (6点)
 手紙ものの変形ですね、こういうの好きです。
 栞の一人称ですが、聞き手を意識しているなら気取りが足りない気が、意識していないなら語り口調過ぎる気がします。逆にはっきりと聴衆がいるはずの他キャラのスピーチ部分は、独り言要素が強いような、そんな漠然とした印象です――個人的な感覚で申し訳ないですが。



 そうですね。ただ、スピーチは案外、恥ずかしさの一線を越えてしまうと素直に自分の気持ちを表現してしまう場でもあると思っています。
 3人とも政治家ではありませんから(笑)。




電光刑事バンさん (1点)
これ書いた人にとって、名雪はやっぱり自分の事しか考えていない最低の人格者なんだろうな。
スピーチの内容にそれが反映されている。
祐一、香里、名雪のそれぞれ異なる視点から栞シナリオを見るって形なら面白いかと思ったが、結局栞も香里も祐一が一人でなんとかしましたって言うのなら、名雪の存在が無意味だ
ゲームやり直してる暇ぐらいあったはずなんだけどな。
栞に告白したときに拒絶されて、そのときそばにいたのは誰だったのか。
あゆに貢物をするときに金を貸したのは誰なのか。
進んだ授業の内容についていくのにノートを借りたのは誰なのか。
探していたCD屋の場所を教えたのは誰なのか。
百花屋に香里を連れてきたのは誰なのかを、しっかり考えるべきであったと思う。
そもそも名雪が母親に迷惑をかけている? それではなぜ名雪はあれほど大量の目覚ましを持っているのか考えた事はありますか?
誰かに起こしてもらう事が前提であるならば、目覚ましそれ自体がいらないでしょう。
普段名雪はきちんと秋子さんのお手伝いとかしているんだから、まったく問題ないでしょう。
そもそも親に迷惑をかけるのが、子供の特権というものでしょう。
それに秋子さんだって普段仕事で家を空けているんだから、朝起こすのは名雪と接するいい機会であるとは思いませんか?
おそらく、作者さんは子育ての経験がないんだと思いますが。

また、一番致命的なのがスピーチの内容が、街をテーマにしていないってところでしょうね。
しかも、はじめと終わりで一人称と三人称がごっちゃになってる支離滅裂さ。
最初の展開と結びも一致していないし、これならスピーチするのを一人に絞り込んで内容を充実させたほうが良かったと思います。
しかも、スピーチのときに誰もしゃべっていないというのはどういう事ですか?
地の文で書いたからっていうのは通用しませんよ。



どうも偏見を持って読まれているようで、真に遺憾です。
スピーチの内容は作者が考える「3人がどう考えているか」を反映したもので、作者の原作に対する見解そのものではありません。
例えば私も、名雪が本人の言うほど母や祐一に依存している娘だとは思っていませんが、彼女自身はそうは思ってはいない、ということです。




じゅうさん (8点)
同じ風景を撮っても、プロの写真家のものと素人の観光写真とでは明らかに違うように、
原作の撮り方を工夫すると、奇をてらわない題材でも面白く読めますね。
よかったです。



じゅうさんには、私がSSで意図するところを汲み取って頂けたようで、作者冥利に尽きます。
ありがとー ヽ(>ヮ<)b




えりくらさん (6点)
きっと心温まり系の新聞記事になって、その写真にはちゃっかり栞も入ってるんだろうなぁと勝手に予想。



いかにもありそうな話ですよね。
このSSの中の栞は、私のなかでは確かにそんなイメージです(笑)




りょとさん (5点)
 正直、あの独白はあまり面白いものじゃなかったですし、ストーリーもないに等しい。独白自体は焼き増しなり垂れ流し。3,4点どっちかかな、と思ってたんですが。
 最後の一言で確実に1点はあがりました。結構ぐっときますというか、書き手泣かせか。私は悔いなく発表できた事はないですが。
 まあ、その辺は冗談としても、最後の一言、額面以上の何かを感じます。背景なり、そしてそれぞれの心境なり。その辺がすごくぐっときました。なんでこんな点数です。



今回私が力を入れたのは、むしろ独白の部分の方でした(笑)
綺麗なオチを求めるのは私のクセなのですが、Ryo−Tさんには今回それで、点数を頂けたようです。




匿名希望(24、リーマン)さん (1点)
スピーチの内容が内輪向け過ぎるよ……。
楽屋落ちと内輪ウケは違うものだってことをわかっていただきたいところです。
自分が第三者の客としてその場にいたら、ほぼ確実に寝ちゃってます。

>蛇口をひねると、白濁した水があふれだした。
何が出てきたんだよって思った。白濁って。(笑)



そういったリアリティを求めるなら、恐らく聞いている方が寝てしまうというのも事実なんでしょうね。
ただ、スピーチではこういった内輪ウケを話してしまうのも、結構あり得る事態だと思っています。
また、少なくともKanonのプレイヤーには何の話だか分かるでしょ、と(笑)


白濁は、勢いを良くするために空気を含んでいるからです。
当初一行目は「栞がコックをひねると、白濁した液体が流れ出てきた。そこに赤い唇を近づけて吸った」でした。
……もちろん狙ってやってます(笑)。




Manukeさん (3点)
うーん……。スピーチにふさわしい内容とは思えませんでした。
それから、原作の内容を振り返る以上のプラスアルファが足りないように感じます。
裏で暗躍する栞は可愛くて良いです(^^;)



このSSの欠点を端的に指摘されてますね(^_^;)
もっと精進したいと思います。




まてつやさん (5点)
 こういう話にしては前振りは頑張ってる感じ。
 だからと言って内容が面白かったかと言われるとそれほどでも。
 オチがなんか、もっとあればなぁ。
 ジャンルがジャンルだけに、しょうがないのか。これが作者さんのしたかったことならば仕方ないことなのかな。



こういう感想がさらっと書けちゃうまてつやさんは、やっぱり凄いなあと思いました。
私なら素直に自分の感情をさらけ出してしまうか、お茶を濁すかのどちらかでしょうから。
こうやって指摘すべき所は指摘しつつ、全体として優しい感想になっているのは、文章力に依る部分も大きいのでしょうね。
Foolisさん同様、まてつやさんをSS書きとしても尊敬してます。
……尊敬してますので、余計に、まてつやさんも満足できるものを書きたかった(笑)。




竹仙人さん (4点)
 って発表して終わりかよ!
 容量いっぱい余ってるんですからもっと肉付けして欲しかったです。



自分の伝えたいことを上手く伝えられるようになって、ようやく一段階目ということですよね。
そこを、物語として興味を抱けるように仕立て上げて、二段階目、ということだと受け取りました。




LM_STACK_さん (6点)
語り手が栞からいつの間にか名雪に変わっているというのがポイントですね。
北川君のスピーチを省略したことで、冗長にならずにまとまったという感じですね。



本当は全員を主役にしたかったんですけれど、力不足でした。
北川は本編であまりに描写が少なく、今回伝えたかったテーマにそぐわなかったので割愛しました。
ゴメンよ北川、名雪もスピーチ聞いてなかったし(爆)。




Revinさん (6点)
スピーチそれぞれに、キャラのらしさが出ていて面白かったです。
北川のも聞きたかった(笑)



上と正反対の感想が(笑)。
北川は設定捏造しても良かったですよね。
ただ、スピーチ自体が気に入らないという方もいらっしゃったようですので、更に尖ったSSになってしまったかも。




かきさん (6点)
名雪さん可愛すぎです。
他に色々書こうと思ったことがあったはずなのですが、彼女のスピーチで全部飛んでいきました。
この名雪もらっていいですか?(えー



短編に続いて、着実にかきさんを洗脳できている気がしますヽ(>ヮ<)ノ
どうぞどうぞ。名雪はみんなのものですので、僕はハンカチを噛みつつかきさんにお譲りします。




歩人さん (4点)
10分間スピーチですか。内容が通常より遥かに非日常なのでちょっとわざとらしいですが、なかなかに面白かった。



毎度、感想お疲れ様です。
個人的な付き合いはありませんが、毎回落ち着いた感想を述べられる歩人さんには、独特の美学とKanonへの情熱を感じています。
またこんぺの場でお会いできると良いですね。
……と、前置きはさておき。
テーマで奇をてらった部分は評価して頂けたようですが、作品としての完成度は今ひとつ、と判断されたのだろうと思います。
私も、もう1ステージ、高みに上りたい。




Garaさん (2点)
……えーと……原作世界への解釈の発表、お疲れ様でした。それもキャラクターに語らせるという面倒であろう手法を用いてまで。
…………で……すいません、「ストーリー」は??
まあ、ジャンルで「スピーチ」なんて書いてるんだし、普通の「ストーリー」期待したらいけないのかもですけど、そうすると「SSで競う場」でこの作品から何処を読めばいいのか非常に困惑しますね……
あと、この展開で「あゆ」の件を匂わせるのって蛇足感強かったです。



読んでてあまり面白くなかったんだろうな、と思いました(笑)。
言い訳はしません。
ただ、“「SSで競う場」で”(つまり、これはSSではない、と書いているようにも見える)というような言い回しは、個人的にどうかなと思います。
あなたのSSやこんぺに対する個人的見解を、作者に押しつける言い方ではありませんか、とまでは申しません。
申しませんが、自分が主催であるからというのではなく、個人的な美学として、多くの方が集う場で規定違反をしているわけではない者に対し「ルール違反である」「場違いである」というような言い方をするのはどうだろう、と思うのです。
人それぞれ、考え方があるのですから。
もちろんGaraさんにはGaraさんの考えがあるでしょうから、私の考え方に添うようにしろとも言いません。




Nekozukuさん (5点)
アイディアは判るのですが、今ひとつ何か足りないような。



えっと、その通りです。精進します。




Natsuさん (1点)
読んでる間はひたすら退屈でした。
スピーチの上下にあるSSらしき文章が浮いてます。
スピーチも内容は街についてと言いながら実際は栞シナリオの紹介になってます。
最後に北川を出した意味はなんでしょう?



やはり美坂チームはワンセットで、という意識がどこかにあったのだと思います(笑)。
Natsuさんに与えた退屈は、いずれ興奮できるようなSSを書くことで償いをさせて下さい。
と、一見大人しいようでいて実は偉そうなことを書いてみます。
まだまだ挑戦を諦めるつもりはないですから(笑)。




雨音さん (6点)
こういう形でそれぞれの心情を描くっていうのも、悪くないものですねぇ。
っていうか、あんまりにも綺麗なオチに笑ってしまいました。
なんか、落語みたいだ(苦笑

が、やはり物語としての面白みには欠けるなぁと。
発表の内容自体は良かったのですが、それならいっそ一人に纏めて欲しかったかも。
っていうか、名雪はこの場合必要ではないでしょうに。
この作品の主題が栞にあるのか街にあるのか、曖昧でした。



一応名雪が一番重要なつもりで書いてました(笑)。
主題が栞シナリオ、と取れば、確かにそう見えてしまいますよね。
この辺のバランスも必要だったんだなあ、ということに気付かせて頂きました。
サンキューヽ(>ヮ<)b
物語の面白みについては、本当に毎回毎回指摘されているので、頑張ります。しつこく、頑張ります(笑)。




つうじいさん (5点)
スピーチと街が関係してないっす。
スピーチの内容が個人的すぎるっす。
時間足らなかったのがバレバレっす。
序盤がすごい素敵で、期待しまくりだったので後半がっかりです。
でもキライに慣れなかったのは作者さんの文章の質が私好みだったからです。
他の作品どこに行ったら読めます?



私もつうじいさんの文章が好きですよー。とラブコール。
よし、でもつうじいさんの嗜好は掴んだ! ボク本当はこのSSの序盤みたいなのが得意ですヨ。
次回はそっち方面に突き抜けてみよう!



2%さん (5点)
うーん、残念。もう一展開ほしかった。ジャンルで期待大だっただけに、惜しい。
――というか、この「コンクール」の選考基準は何なんだろ……原稿が小学生の作文にしか見えないのだけれど……

余談ですが、この作品で思わず頷いてしまったのは、
>駄目って言葉は人妻か処女が好んで使う否定文句らしいよ。普通の女性は嫌って言うんだって
です。どこかに出典が……?



Kanonのキャラが概して年齢より幼く見える(なにせ全員18歳以上ですしね!)、ということを差し引いても、高校生のレベルはこんなものじゃないかなぁ、と思っているのですが。
えっ、そりゃお前の高校生時代が低レベルなんだろ、ですって?
そんなことない!


というわけで早速脳年齢を測ってきました。
10歳でした。
仰るとおりでした。
orz


さておき、2%さんが頷いてしまった文は、誰かから聞いたものです。割と一般に流布しているゴシップなのではないでしょうか?
えっ、そりゃお前がエロ話好きだからだろ、ですって?
そんなこと……ありました! メッチャ!!




ボンクラーズ大阪担当さん (1点)
 確かにスピーチだと思います。それ以上でもそれ以下でもなく。
 他の方はわかりませんが、僕なんかはSSが読みたかったなあ、と思ってみたりするわけです。



ハイ……orz




Longhornさん (3点)
すみません、並べられたスピーチを続けて読むのは苦手なもので。



ハイ……orz




揺れない乳の錬金術師さん (7点)
 アイデアといい、雰囲気といい好感の持ちやすいものでした。
 『こんぺ』狙ってのあの締めなのかもしれませんが、最初の流れからいくと栞に出張って欲しかったような。
 壇上に踊り出て答辞のスピーチする……とか。



そういうアイディアが出てくるのは凄いですね。
きっと高名なSS書きさんなんでしょう。
よろしければ、今度お寿司でも一緒に食べに行きませんか?




広咲瞑さん (7点)
 



ヽ(>ヮ<)b




琴吹 邑さん (4点)
「きっと、悔いなく発表できたってところに、意義があるんじゃないかな」
このコンペもそうでありたいですね。

スピーチコンテスト。参加したこと無いからよくわからないけど、祐一みたいにあんなにざっくばらんに話していいのかな?

気になったところは最初の方

「どなたですか?」
「香里よ。美坂香里

ここでの香里の返答は、「あたしよ」が良いんじゃないかなと。
家の中で、フルネームも変な話ですし。家族に対しての誰の返答が名前というのも少し変かなと思いました。



あ、そこは質問自体が「どなたですか」と他人行儀だったんです。
だから、ノリの良い香里は他人行儀に答えたんですね。
分かり難いやり取りだったのは事実なので、栞の質問の方を「どちらさまですか?」くらいにしたほうが良かったかも知れません。




お返事で15Kb近くも行ってしまいました(笑)。みなさんの質問の方も含んで、ですけれど。
感想を下さった方、そして点数を付けて下さった方々、本当にありがとうございました。