がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

グ・ロ・テ・ス・ク(はぁと) (投稿者:復路鵜)

最近、ジャック・ケッチャムという作家さんが好きです。
結構新鋭のホラー作家なのですが、彼の筆遣いは苛烈で、ぴりりとしたものがあります。キングやマキャモンは持ち合わせていないスピーディーさやグロテスクな描写は見事の一言。
彼の著作では『隣の家の少女』が好きだったりします。『オンリー・チャイルド』や『老人と犬』も好きですが、やはり『隣の家の少女』が一番だなと。
ストーリーはアメリカの片田舎に住む少年の家の隣に少女が越してきて、少女が引き取り主の母親から虐待を受けていくというもの。
少年のその年独特の考え方、少年とその友人達が執り行う異常なゲーム、エスカレートしていく少女に対しての虐待。普通ここまでやんないだろというくらいの異常性には舌を巻いてしまいます。
無論少年は主人公、終盤あたりになってから自分の過ちに気がつき、少女を助けに行きます。が、他の作家の作品ならばともかく、書いているのはジャック・ケッチャム。事態はどこまでも悪化していきます。
個人的には少女が熱湯シャワーを浴びせられるシーンと、とうとう息を引き取ってしまうところが好きだったりします。淡々とした描写故にそのシーンも単調に描かれているのですが、その淡々としたところが逆に哀しさや残虐さを上手く引き出していると思います。
今のところジャック・ケッチャムの作品は扶桑社のものしか見かけていないので、文春や新潮の方でも出ていたら買いたいなとか思ったり。『オフシーズン』も読みたいなあ。ちなみに人食い族と都会からやってきた人間との戦いだったりします。